放射線による検査と聞くと、すこし怖いイメージをもたれるかもしれません。将来、癌になるのではないかと心配される方もいるかもしれません。
確かに過去の研究から、原爆などによる大量の放射線被ばくを受けると、将来、癌になる可能性が高くなることがわかっています。一方、放射線検査で用いられるような少量の放射線被ばくでも癌が生じるのかどうかについては、はっきりとしたことはわかっていません。ただ、放射線防御の観点から、現在研究者の間では、微量の放射線被ばくであっても発癌の危険性があると考えるべきだ、という意見が優勢です。
| 一般撮影 |
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CT検査 |
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| 胸部正面 |
0.06 |
胸部 |
6.8 |
| 腹部正面 |
1.5 |
腹部 |
3.8 |
| 頭部正面 |
0.05 |
頭部 |
0.49 |
| 表1:一般撮影とCT検査の被ばく量 単位:mSv。 |
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医療における放射線の使用は、「放射線を使用する検査は、それによる利益と不利益を比較して、利益の方が大きい場合にのみ行うべきである」という国際放射線防護委員会の勧告があり、これに従って行われています。つまり放射線検査は、放射線診断によって病気が発見され、よい治療ができるという利益と、放射線によって将来癌になる危険度を十分に考えた上で、必要な場合にのみ行なわれているのです。また、「微量の放射線被ばくであっても発癌の可能性がある」、とはいっても通常の放射線検査では、発癌の危険性は十分に小さく、一般の事象の危険度(例えば喫煙や交通事故に遭うなど)に比べても小さいことがわかっています。
さらに、放射線は自然界にも存在します。X線を使った検査を受けていない人でも、普通に生活していれば大地や空気・宇宙などからの「自然放射線」で1年間に約2mSv(ミリシーベルト)程度の被ばくを受けているのです。
表1は、一般撮影とCT検査で受ける放射線の量の推定値です。CTでは装置の性能・性質上、被ばく量は多くなります。当院で行う一般撮影の場合、一回の胸部撮影で0.06mSvの被ばくであり、自然放射線の量と比較しても極微量ですので安心して検査をお受け下さい。
放射線検査は、病気の早期診断・早期治療に役立ち、患者さんにとって大きな利益があります。あまりむやみに心配なさらず、医師により必要と判断された検査をお受け下さい。